桐生の問いに、咲姫は思い切り動揺している。
「別れてねぇよ。勝手に決めんな」
そう言ってもう一度桐生を睨みつけた。
「でも今はなんかうまくいってないっぽいし。やっぱり俺とつき合った方が「いい加減にしろよ!」
思わず桐生の言葉を遮って怒鳴ると、咲姫も佐神も一瞬怯えたような表情になった。
周りにいる生徒達も驚いたようにこっちに視線を向けている。
「そんなに咲姫とつき合いたいなら、付き合えよ」
「玲央!?」
「日生!?」
それまで黙って俺と桐生の会話を聞いていた咲姫と佐神が焦ったように俺の方を見た。
「ただし、後夜祭の美男美女コンテスト男子部門で優勝したらな」
俺がそう言うと、
「なんだ、それでいいんだ? 俺、優勝候補って言われてるし、結果はもう決まってるようなものだと思うけど」
桐生は相変わらず自信満々の態度で言葉を返してきた。
「まだわかんねぇよ」
「…ちょっと…玲央…」
思い切り不安そうな表情の咲姫に
「大丈夫だから。俺が優勝するから」
俺は一言そう言うと、体育館へ向かった。

