【Side 玲央】
「日生、ちょっと顔貸して」
文化祭まであと数日となった放課後。
クラスの出し物であるダンスの練習をサボって、バスケ部にでも顔を出そうかと体育館へ向かっていた時。
いきなり同じクラスの佐神に声をかけられた。
どうやらあとをつけていたらしい。
「なんだよ」
“練習サボるな”とでも言いに来たのか?
「いいから、ちょっと来て」
強引に腕を引かれて、人目につかない校舎裏に連れて行かれた。
佐神は周りに誰もいないことを確認すると、
「あんた、彼氏としてサイテーだよね!」
今にも殴りそうな勢いでそう言った。
なんのことを言われているかはすぐにわかった。
咲姫のことだ。
佐神は去年からずっと咲姫と仲良くしている。
だから、夏休み中のことも咲姫から聞いて知っていたんだろう。
確かに俺がしたことは彼氏として最低だと思うし、そこは否定しない。
