天然クール王子は仔猫ちゃん溺愛中。


「……あのねっ……」

涙声でつまりながら話そうとしたら、

「咲姫、もしかして泣いてる? どうしたの? 何かあったの?」

流風ちゃんが心配そうな声で訊いてくれて、私はさっきの出来事を話した。

「……ったく、何考えてんのよ、あいつ」

事情を把握した流風ちゃんが、電越しでも怒っているのがわかる。

「……私……嫌われたのかな…」

「これで嫌うようなら、その程度の気持ちだったってことだよ。本当に咲姫のことが好きなら、咲姫の気持ち大事にして待つって」

「そうかな……」

「そうだよ。でもさ、日生くんも内心かなり焦ってたんだろうね。このままじゃ本当に咲姫のこと桐生くんにとられるかもっって。それだけ咲姫のことが好きってことだと思うよ」

そうなのかな……。

「とりあえず少し距離を置いて様子見ようよ。ね?」

「……うん……」

せっかく仲直りできると思ったのに、こんなことになるなんて……。

つき合って初めての夏休みなのに、私達、すれ違ってばかりだ―。