* * *
「ねぇ、あの店員さんイケメンじゃない?」
「ホント。ヤバい、カッコよすぎる」
桐生くんがバイトに入ってから、数日。
早くも桐生くんはお店の有名人になっていた。
桐生くん目当てで来るお客さんも増えて来て、どこで聞きつけたのか同じ学校の桐生くんファンの子達までお店に来るようになった。
「いや~桐生くんの人気はすごいねぇ」
そんな様子を見て、しみじみつぶやく店長。
「学校でもすごい騒がれてますから」
注文を受けた商品をレジ後方で準備しながら、私はため息まじりに答えた。
私と桐生くんが同じ高校だと知って、店長が気を利かせて私と桐生くんのシフトを同じ時間に組んだから、この数日私は桐生くんと一緒に仕事をしているんだけど。
店長、はっきり言って余計なお世話です!
何が悲しくて夏休みに桐生くんと一緒にバイトしなくちゃいけないの!?
このことを玲央が知ったら、きっとものすごい勢いで怒るだろうな……。

