【Side 咲姫】
「暑~い!」
7月の終わり。
照りつける太陽の日射しは、ジリジリという音と共に肌を焦がしていくように強い。
梅雨明けして訪れた本格的な夏は、猛暑という言葉では足りないくらいに暑い。
家から駅までの十数分の道を歩いているだけでグッタリだ。
あちこちで聞こえるセミの声が余計に暑苦しい。
やっぱり家でゆっくりしてる方がいいな。
早くも後悔してる私が今向かっているのは、数日前に採用が決まったバイト先。
夏休みが始まってから、特に部活も塾通いもしていない私は、毎日家でのんびり過ごしていた。
玲央はバスケ部やサッカー部の助っ人にひっぱりだこで、流風ちゃんはバドミントン部の活動がある。
そして伊吹ちゃんは、早くも塾の夏期講習に参加している。
私の周りはみんな、夏休みもなんだかんだと忙しそうにしている。
だから特に予定のない私は、毎日クーラーの効いた涼しい家でダラダラ。
