“咲姫からキスして”
「えぇ!?」
俺の言葉が予想外だったのか、咲姫は思い切り驚いたような声を上げた。
「ほら、早く」
密着状態のままそう言うと、覚悟を決めたように咲姫が顔を近づけてきた。
そして、頬に柔らかな感触。
「そっちかよ」
ほっぺにチュって、幼稚園児でもやってるだろ。
「だって…恥ずかしいもん」
真っ赤になりながらうつむく咲姫。
そんなところも可愛くて仕方ない。
「今度はちゃんとこっちにしろよ」
そう言って、咲姫の唇を塞ぐ。
「ちょっと、誰かに見られるって…」
「見せつけてやればいい」
これで、桐生は咲姫に構わなくなる。
また堂々と咲姫に触れられる。
そのことが嬉しくてたまらない。
ここが外だとか、誰かに見られるかもしれないなんて、どうでもいい。
ただ、咲姫とこうして触れ合っていたい。
咲姫の温もりを感じながら、桐生に勝った喜びに浸っていた。
