「おはよう咲姫ちゃん。今日も可愛いね」
「だから、咲姫ちゃんって呼ばないでよ。私、先輩なんだから」
「だって咲姫ちゃん全然年上に見えないし」
「はいはい、どうせ私はチビで童顔ですよ」
この前小学生に間違えられましたけど、何か?
「それが可愛いんだよ」
そう言って、桐生くんが私の方に手を伸ばした瞬間、
「桐生、いい加減にしろよ。年下のくせになれなれしく咲姫と話すな」
玲央が私の前に立って、私に触れようとしたらしい桐生くんの腕を掴んだ。
「え~?いいじゃないっすか、話すくらい」
「よくねぇよ。咲姫は俺の彼女だって言ってんだろ」
「そのうち僕の彼女になるかもしれないじゃないですか」
いや、絶対ならないから。
っていうか、その自信満々な発言は何?
「こんなバカと話してても時間のムダだ。さっさと教室行くぞ」
そう言って玲央が私の手を引っ張って足早に歩き始めた。
「またね~咲姫ちゃん」
でも、桐生くんは全く気にせず満面の笑みで私に手を振っている。
もう、呆れて何も言えない。
