「咲姫、遅かったね。何かあった?」
教室に戻って席に着くと、流風ちゃんが声をかけてきた。
「えっと、実は……」
私は話そうか迷いつつも、さっきの出来事を話した。
「うっそ、マジで!?」
「流風ちゃん、声が大きい!」
流風ちゃんの声に驚いて、一瞬周りの席の子達がこっちを見た。
「ごめん。でも、そっか。咲姫が標的にされちゃったか~」
「標的?」
「あたしのイケメン情報によると、桐生くんって、中学時代からチャラ男で有名らしくてさ。狙った女の子は彼氏がいても自分のものにしようとするらしいよ」
「……えっ……」
そういえばさっき「人のモノだと尚更欲しくなるんだよね」って言ってた。
ってことは、まさか……。
「気をつけた方がいいよ、咲姫」
流風ちゃんの言葉通り、高校2年生の始まりは波乱の予感で幕を開けた。
