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新学期が始まって数日後の昼休み。
「あ、桐生くんだ~!」
「ヤバい、超カッコイイ~!」
流風ちゃん、伊吹ちゃんと中庭にいたら、女の子たちが騒いでいるのが聞こえた。
女の子たちの熱い視線の先には、渡り廊下を歩くひとりの男の子の姿。
私が新学期初日に見かけた、あの男の子だ。
「1年B組 桐生絢斗。青葉中学校出身。小学校時代はアメリカで過ごしていた帰国子女」
「すごい、どこで得たの? その情報」
まだ新学期始まったばかりなのに。
「あたしの情報収集力なめないでよ。なんたってイケメン情報ツウですから」
流風ちゃんがドヤ顔で言う。
「その情報収集力を勉強にも活かせばいいのに」
「それは言わないお約束」
さりげなく冷静な一言で突っ込む伊吹ちゃんと、ノリの良い流風ちゃん。
ふたりの会話はいつも面白い。
新学期が始まってから数日で、早くも新たなイケメン男子として騒がれている桐生くんは、180cm以上ある長身だけど、まるで女の子みたいに綺麗な顔立ちの男の子だ。
