天然クール王子は仔猫ちゃん溺愛中。


* * *


新学期が始まって数日後の昼休み。

「あ、桐生くんだ~!」

「ヤバい、超カッコイイ~!」

流風ちゃん、伊吹ちゃんと中庭にいたら、女の子たちが騒いでいるのが聞こえた。

女の子たちの熱い視線の先には、渡り廊下を歩くひとりの男の子の姿。

私が新学期初日に見かけた、あの男の子だ。

「1年B組 桐生(きりゅう)絢斗(あやと)。青葉中学校出身。小学校時代はアメリカで過ごしていた帰国子女」

「すごい、どこで得たの? その情報」

まだ新学期始まったばかりなのに。

「あたしの情報収集力なめないでよ。なんたってイケメン情報ツウですから」

流風ちゃんがドヤ顔で言う。

「その情報収集力を勉強にも活かせばいいのに」

「それは言わないお約束」

さりげなく冷静な一言で突っ込む伊吹ちゃんと、ノリの良い流風ちゃん。

ふたりの会話はいつも面白い。

新学期が始まってから数日で、早くも新たなイケメン男子として騒がれている桐生くんは、180cm以上ある長身だけど、まるで女の子みたいに綺麗な顔立ちの男の子だ。