「なんか考え込んでた感じだったから」
「ごめん、なんでもないよ」
一瞬でも爽くんのことを考えてた後ろめたさを隠すように、私はわざと明るくそう言った。
「あのさ。咲姫って夏川とつきあってる時に何かあった?」
「へっ!?」
唐突すぎる質問に面喰って、間抜けな声が出た。
「な、何かって?」
「キスとかした?」
「……えっ……」
一瞬の戸惑いを玲央は見逃さなかったらしい。
「即否定しないってことはしたんだな?」
…うっ…鋭い…。
実は1回だけ、してるんだよね…。
「でっでも、それは事故みたいな感じで…」
(ゴメン、爽くん)
「1回だけしかしてな……っん」
言い終わらないうちに唇を塞がれた。
「それ以上言わなくていいから」
そう言ってもう一度玲央は私にキスをした。
玲央は伊吹ちゃんとつきあってる間、何かあったりしたのかな?
「言っとくけど、俺は美原とは何もなかったからな」
「えっ?」
なんで今私が思ったことがわかったんだろう。
