天然クール王子は仔猫ちゃん溺愛中。


【Side 玲央】


2月14日。

今日はバレンタインデー。

朝から何度も女子に呼ばれてるけど、全て断っている。

理由はもちろん、咲姫がいるから。

放課後。

咲姫に「話があるから人が来ない所に行きたい」と声をかけられて、すぐにある場所が思いついた。

「……ねぇ、なんで第2体育館なの?」

「咲姫が人があまり来ないところがいいって言ったんだろ?」

「そうだけど…」

そう、着いた場所は第2体育館。

ここはある意味俺たちにとって思い出の場所だから、ちょうどいいかなと思ったんだけど、咲姫はちょっと不満そうだ。

そう切り出すと、

「……これ、渡したくて」

咲姫がカバンからバレンタインのチョコらしき包みを出した。

「もしかして手作りチョコ?」

そう訊いた俺に、

「そうだよ。他の子たちからもたくさんもらってるとは思うけど…」

咲姫は遠慮がちに言った。