「この設問の解き方は、この公式を使って……」
連休明けの学校、数学の授業中。
私は、先生が黒板に書いている数式をぼんやり眺めていた。
日生くんと放課後に教室で話してから、休みの間中ふとした時に日生くんの「かわいい」っていう言葉と笑顔を思い出してばかり。
そしてなぜか思い出すと急に鼓動が高鳴るんだ。
私、どうしちゃったんだろう……。
そんなだから、流風ちゃんたちと遊びに行った時も、ふたりに「どうしたの?」って心配されちゃうんだ。
ふたりには、まだなんとなく言いづらくて話せないまま。
前に、日生くんの何がいいのかわからない的なことや、好きとか恋とかよくわからないみたいなことを言った手前、余計に話しづらいんだよね。
「……や。……みや」
だいたい、日生くんは今や校内一のモテ男子だし。
もうすでに彼女とかいるんだろうし。
「篠宮!」
「……はいっ!?」
突然大きな声で名前を呼ばれて慌てて返事をすると、数学担当の塚ちゃんが私に言った。
