「私、ずるいんだ。咲姫の気持ちも日生くんの気持ちも気づいていながら、日生くんとつきあってた。ごめんね…」
ずっと、気づかないふりをしてた。
流風に応援してもらってることや、美男美女コンテストでみんなから日生くんとカップル扱いされてることを利用してた。
泣きそうなのをこらえながら言った私に、
「謝らなきゃいけないのは俺も同じだから。もういいよ」
日生くんは怒らないでそう言ってくれた。
「正直に話してくれてありがとな」
そして、優しく笑ってそう言ってくれた。
私のせいで、両想いになるべきふたりをすれ違いにさせてしまったんだ。
だから、今の私にできることは……。
私は、小さなメモを日生くんに渡した。
「…これ…」
「咲姫のスマホの番号。今からでも咲姫に会ってみたら?」
今からだって遅くない。
せっかくのクリスマスイブだし、お互いきちんと気持ちを伝えてほしい。
「…でも…」
ためらっている日生くんに、
「私、もう帰るから」
私はそう言って席を立った。
少しだけって約束だったから。
