天然クール王子は仔猫ちゃん溺愛中。


* * *


クリスマスイブの日。

「少しだけでいいから一緒にいてほしい」と言った私の言葉通り、日生くんは私と会ってくれた。

「大丈夫か?」

人混みに巻き込まれそうな私を気遣ってくれる日生くん。

「……うん、大丈夫」

そう答えたものの、人に押されてしまった。

「大丈夫じゃないだろ」

そう言って、日生くんが私の手をつないだ。

思わずドキッとする。

夢見てた。

日生くんと、こうして一緒に手をつないで歩くこと。

だけど…その手は、人混みが落ち着くと、簡単に離されてしまった。

今のは…手をつないだんじゃなくて、ただ手を貸してくれただけ。

日生くんの心にいるのは私じゃないから。

そばにいればいるほど、そのことを思い知らされる。

「ちょっと休まない?」

そう言って、カフェに入った。