カーテンは開けられたままで、咲姫が寝ているのが見えて、そして…日生が咲姫にキスしてるところも偶然見てしまった。
「彼女いるくせに人の彼女に手出すなんて、ムカつくよな」
咲姫が好きなくせに、なんで美原とつきあい始めたのか不思議だ。
その時、咲姫のスマホに着信があったらしく、咲姫が電話に出た。
誰からだろう?と思ったら、
「日生くん?」
信じられない、というような声で咲姫が口にした。
すごいタイミングだ。
「……えっ!?」
そして、咲姫が大きな声を出して、一瞬俺の方を見た。
俺は声に出さず頷いた。
「日生からだろ? 行って来いよ」
電話を終えて、半分放心状態でケータイを見つめている咲姫に声をかけた。
会いたいなら、会いに行けばいい。
もう、咲姫の気持ちはわかったから。
「短い間だったけど、ありがとな」
「さよなら」とか、「別れよう」とは言いたくなかった。

