「 伊吹ちゃんがいるからあきらめようと思ってたのに……」
震える声で、咲姫がつぶやいた。
「……え?」
「……なんで日生くんじゃないとダメなの……?」
それは、俺に対してではなくひとりごとの様だった。
そして――
「……好き……。日生くんのことが好き……」
涙声で、咲姫はそう口にした。
今、確かに言ったよな。
俺のことが好きだって。
「やっと聞けた」
ずっと聞きたかった言葉。
やっと言ってくれた。
嬉しくて、もう一度強く咲姫を抱きしめる。
確かに感じる、咲姫の温もり。
夢じゃないんだよな。
「俺、美原と別れたんだ」
抱きしめていた腕をゆるめてそう言うと、
「……えっ!?」
咲姫がビックリして顔を上げた。
