ひとり残された俺は、美原がくれたメモをぼんやり見つめた。
今電話しても、咲姫は夏川と会ってるんじゃないのか?
それに、直接咲姫から番号を聞いたわけじゃないのにかけたら驚かれるだろうし。
だけど、せっかく美原がチャンスをくれたんだから、咲姫とちゃんと話したい。
咲姫の番号をスマホに登録して、店を出た。
駅へ戻って、案内板を見る。
この辺で人が少なくて静かに話ができる場所。
探してみると、あるところに目が留まった。
駅から結構近い所にある市立図書館。
この時間なら閉館してるし、目の前に公園もある。
ここは咲姫の地元だから、咲姫もきっと迷うことはないだろう。
さっき歩いた道とは反対方向の道を歩く。
ショッピング街とは対照的で、住宅街になっているらしく人通りも少なくて静かだ。
今から電話して本当に咲姫に会えるかはわからない。
でも、このタイミングを逃したらいけない気がした。


