「友達だからって、私に遠慮してたんじゃないかな……」
そういうことか。
やっと話がわかった。
「私、ずるいんだ。咲姫の気持ちも日生くんの気持ちも気づいていながら、日生くんとつきあってた。ごめんね…」
美原が泣きそうな表情で言った。
悪いのは、美原だけじゃない。
咲姫のことを諦めるために美原の告白を受けた俺だって、謝らなきゃいけない。
「謝らなきゃいけないのは俺も同じだから。もういいよ」
俺の言葉に、美原が顔を上げた。
「正直に話してくれてありがとな」
そう言って微笑むと、美原は首を横に振った。
そして、小さなメモをくれた。
書いてあるのは、スマホの番号だった。
「……これ……」
「咲姫のスマホの番号。今からでも咲姫に会ってみたら?」
「…でも…」
「私、もう帰るから」
言いながら美原は席を立った。
「じゃあ途中まで送るよ」
そう言った俺に、
「私は大丈夫だから。早く咲姫に連絡してあげて」
美原はきっぱりとした口調でそう言って、足早に店を出て行ってしまった。



