「……なんで? かわいいのに」
俺が言った一言が予想外だったのか、篠宮は驚いたように顔を上げた。
「男からしたら、ちっちゃい方がかわいいと思うよ」
きっと、からかうのは“可愛い”っていう気持ちの裏返しだ。
実際、うちのクラスの男子は“小さくてふわふわしてて可愛い”って言ってるし。
「それにほら、なんだっけ。やまこしょうはひりひりからいとか言うじゃん?」
小さくてもバカにできないとかそんな様な意味の言葉。
励ますつもりで言ったのに、篠宮はきょとんとした表情で首を傾げている。
「もしかして、山椒は小粒でもぴりりと辛いのこと?」
数秒の沈黙の後、篠宮が思いついたように言った。
「あ、そうそうそれ」
「全然言葉違うよね」
う~ん……まぁ、たしかに。
俺、なんとなく響きで覚えてあまり考えないで言うし。
それで天然とか言われんのかな。
そんなことを思っていたら、突然篠宮が笑いだした。
「なに笑ってんの?」
「だって……日生くん、ホントに天然なんだね」
うわ、やっぱり言われたか。
