天然クール王子は仔猫ちゃん溺愛中。


【Side 玲央】


12月に入って、期末テストが来週に迫ったある日の放課後。

テスト前だからと言って早く帰って勉強する気にもなれず、バスケ部に顔を出そうと思った俺は、体育館へ向かうことにした。

教室を出て廊下を歩いていると、偶然にも咲姫の姿が見えた。

今日は夏川と一緒に帰らないのか、ひとりで歩いている。

歩きながら後姿を見ていて、なんとなく様子が違うような気がした。

足元がふらついてる。

もしかして、体調悪い?

と思ったら、咲姫がその場にしゃがみこんだ。

周りには誰もいない。

慌てて咲姫のそばに駆け寄った。

「咲姫?」

呼んでも返事がない。

気を失ってるのかもしれない。

とにかく、保健室に連れていこう。

俺は咲姫を抱きかかえて、保健室へ向かった。

運よくここから保健室は近い。

保健室に行くと、テスト前の放課後だからか保健医も生徒もいなくて静かだった。