* * *
翌日、放心状態で部屋にいたら、突然スマホが鳴った。
画面には「流風ちゃん」の文字。
「もしもし?」
電話に出ると、
「あ、咲姫、今日予定ある?」
開口一番流風ちゃんが訊いてきた。
「え? ないけど」
私は部活もないし、バイトもしてない。
今日は家で家族とのんびりしてるところだった。
「じゃあさ、今から会える? 伊吹も一緒にいるんだけど」
一瞬戸惑ったけど、もう正直に話すしかないんだ。
「いいよ」
私がOKすると、
「じゃあ学校のそばのドーナツ屋さんで待ってるね」
流風ちゃんがそう言って、電話を切った。
もしかしたら、日生くんとのことをちゃんと話すつもりで連絡くれたのかもしれない。
なんとなくそんな気がした。
慌てて服を着替えて支度をすると、
「友達に会ってくるね」
私はキッチンにいるお母さんに声をかけた。
「あら、2日連続でデート?」
お母さんが冷やかすような目で言う。



