「日生くん!」
息を切らして、日生くんのところへ駆け寄る。
「早かったな」
「う、ん」
私は呼吸を整えながら頷いた。
市立図書館はショッピング街とは駅を挟んで反対側にあって、歩くと20分くらいの距離。
今は走って来たから、多分電話をもらってから10分ちょっとくらいしか経ってない。
「話って何?」
私が訊くと、
「うん。ここじゃなんだから、そっちの公園行こう」
日生くんがそう言って、私達は図書館の向かい側にある小さな公園に入った。
図書館はもう閉館になっていて、公園には周りを見回しても誰もいなかった。
この辺はショッピング街の方とは違って住宅街だから、とても静かだ。
いきなり訪れた日生くんとふたりきりというシチュエーションに、どうしたらいいのかわからなくて戸惑う。
伊吹ちゃんとのデートはどうなったの?
どうしていきなり電話してきたの?
わからないことだらけで、混乱してる。
「咲姫のホントの気持ちが知りたいんだ」
不意に立ち止まって、日生くんが言った。



