最初は、爽くんとつきあえば、自然に爽くんのこと好きになれると思った。
でも、人の気持ちはそう上手くは切り替えられないものなんだ。
特に好きって言う気持ちは……。
さっき、日生くんと伊吹ちゃんが一緒にいるところを見て、はっきり気づいてしまった。
やっぱり私は日生くんのことが好きだって。
そう思ったら涙が溢れてくる。
そんな私を、爽くんは責めることもなくただ黙って見ていた。
そして、静かに言った。
「お詫びにひとつだけ俺のお願いきいて」
「……?」
なんだろう?と思った時にはもう、爽くんの顔が目の前にあって。
私の唇に爽くんの唇が一瞬触れていた。
「……なんで……初めてだったのに」
思わずそうつぶやくと、
「初めてじゃねぇよ」
爽くんが言った。
「……えっ?」
初めてじゃないってどういうこと……?
「……あいつ。日生」
なんで日生くん?

