人見知りなのかと思っていたけど、どうやらあの様子を見ると、そういうわけでもなさそうだ。
クラスの男子の間では、「小さくてふわふわした雰囲気が可愛い」と言われてるけど、当の本人はなぜか男子とは必要以上に話さないし、関わろうとしない。
だから、篠宮ともっと話してみたいと思っているヤツが多い。
実は、俺もそのひとりだったりする。
入学式の日、偶然電車で会った時から、なんとなく気になってるんだ。
「キャ~!」
突然聞こえた甲高い声に、ハッと我に返った。
気がつくと、購買部への通り道になっている渡り廊下で、女子が数人目の前にいた。
「日生く~ん」
「玲央く~ん」
まるでアイドルを見ているような目をして、俺の名前を呼ぶ。
「ごめん、急いでるから」
そう言って、俺はそのまま歩き出した。
こうして昼休みに騒がれるのも、中学時代から。
カッコイイと言われて嬉しくないと言えばウソになるけど、あまり騒がれるのは、はっきり言って面倒だ。
