「咲姫に会いに来ちゃいけないわけ?」
わざと咲姫の口調を真似してそう言うと、咲姫は俺の言葉に照れたように頬を赤く染めて黙り込んだ。
そんな照れてる咲姫の表情も可愛くて、思わず笑みがこぼれてしまう。
「今日の放課後、部活ないから一緒に帰ろう」
そう言いながら、咲姫はホントに彼女になったんだよな…って実感して俺は昼練へ向かった。
さかのぼること約1カ月前の文化祭の日。
後夜祭の美男美女コンテストで2位に選ばれた俺は、ステージ上である作戦に出た。
親睦会の時に思いがけない告白をしてしまってから、なんとなく気まずくて咲姫と顔を合わせられなかった。
だから、今日ちゃんと話して返事を聞こう。
そう決めた俺は、わざとコンテストのステージ上で、「好きな子がいて、告白したけど返事をもらっていない」と話した。
案の定、会場は大騒ぎになったけど。
コンテスト終了後。
日生と美原が1位になってみんなに囲まれている中、俺は咲姫とちゃんと話をしようと会場を出た。
