【爽Side】
「咲姫、ちゃんと残さず食べろよ」
昼休み、サッカー部の昼練に行く途中で中庭に寄って咲姫に声をかけた。
そして、
「じゃないと背伸びないぞ?」
そう言って咲姫の頭に手を乗せて、笑う。
「なんなの、この甘い空気」
咲姫の友達に冷やかされて、
「ちょっと、恥ずかしいからやめて」
咲姫は慌てて頭に乗せられている俺の手をどけようとした。
でも俺は気にすることなく、
「いいじゃん別に。俺達つきあってるんだし」
堂々とそう言って、そのまま咲姫の頭を撫でる。
小さい頃に、「くるくるパー」なんて言ってからかっていた咲姫の天然パーマ。
ホントはふわふわなその髪が可愛いくて、触れてみたかった。
だから今、内心かなり嬉しかったりする。
「で、何しに来たわけ?」
そんな俺とは対照的に、咲姫が冷ややかな声で言ってきた。
彼氏に「何しに来た」はないんじゃねぇのか?
