天然クール王子は仔猫ちゃん溺愛中。


さっきから会話丸聞こえなんですけど。

もう一度、篠宮さんの方を見ると、彼女もこっちを見て目が合った。

さりげなく笑いかけてみると、少し戸惑ったように目をそらした。

なんか、今まで周りにいた女子とは違うタイプかも。


* * *


昼休みを告げるチャイムが鳴るとすぐ、俺は教室を出る。

そうしないと、机を女子に囲まれて弁当攻撃が始まるからだ。

向かった先は購買部。

親が仕事で忙しくて弁当を作る時間がないから、いつも適当に買って済ませてる。

それを知った俺のファンらしき女子が我先にと手作り弁当を持ってくるようになったんだけど、正直困る。

誰かひとりのだけもらうわけにもいかないし。

そんなことを思いながら廊下を歩いていたら、中庭にいるある女子に気づいた。

同じクラスの篠宮だ。

俺と同じ中学だった佐神と美原と一緒に楽しそうに弁当を食べてる。

篠宮とは、入学式の日以来ほとんど話してない。

というより、篠宮は俺だけじゃなくクラスの男子とほとんど話さない。