その緊迫した空気の中で、私は不謹慎にも、日生くんが言った“彼女”って言葉に、ドキっとした。
日生くんの言葉に先輩たちはショックを受けたのか、無言のまま去っていった。
「……ありがとう」
私がお礼を言うと、
「嘘も方言だな」
日生くんは、そう言って笑ってくれた。
「方便ね」
なんて冷静に突っ込みながら、やっぱり日生くんは天然なんだなって思って思わず笑ってしまった。
「……なんか、ごめんな」
突然、日生くんが呟いた。
何で謝るの?
助けてもらったのは私の方なのに。
「文化祭終わってからずっと騒がれてるだろ? 美原にとっては迷惑だよな」
思いがけない言葉に胸が熱くなる。
迷惑だなんて…そんなことないのに。
……だって、私は……。

