天然クール王子は仔猫ちゃん溺愛中。


「ごめん。送ってくれてありがとう」

慌てて繋いでいた手を離して言うと、

「いや。じゃあ、また明日な」

爽くんが私の頭に軽く手を乗せて言った。

この仕草、日生くんもよく私にやってたな……。

ふとそんなことを思い出して、胸の奥が痛んだ。

「じゃあ、また明日」

「うん」

爽くんが背を向けて、歩き出す。

遠ざかっていく後姿が、少しずつぼやけていく。

昼休みからずっと我慢してた気持ちが、涙になって溢れてくる。

爽くんとつきあってる私に、泣く資格なんてない。

わかってるのに、涙はどんどん溢れて頬を濡らしていく。

爽くんと過ごす時間が増えたら、私はいつか爽くんのことホントに好きになれるのかな。

日生くんのこと、ただのクラスメートとして見られるようになるのかな。

いつになったら、そんな日がくるのかな……。