「手、冷たいな」
爽くんが平然とした顔でそう言って、そのまま歩き出した。
さりげなく、手繋いでるんですけど……。
すれ違う人達が、時々私達の方に視線を向けてる。
他人から見たら、私達は微笑ましい高校生カップルに見えてるのかな。
それでいいはずなのに、どこかで何か違うと思ってる私がいる。
自分で爽くんとつきあうことを決めたのに。
『私、日生くんとホントにつきあうことになったの』
昼休みからずっと…伊吹ちゃんの言葉が頭の中でリフレインしてる。
「……咲姫?」
気がついたら、私の家のすぐそばまで来ていた。
