「私、日生くんとホントにつきあうことになったの」
……!
「マジで!? やったね、おめでと~!」
中学時代からずっと伊吹ちゃんの恋を応援してきた流風ちゃんは、ホントに嬉しそうだ。
そっか。やっぱり、ホントにつきあうことになったんだ。
予想はしてたことだけど、改めてハッキリ聞くと……。
……ダメ。
笑顔で言わなきゃダメだよ、咲姫。
「……良かったね、伊吹ちゃん」
必死に平静を装って笑顔で言った。
私、うまく笑えてるかな……。
「ありがとう」
伊吹ちゃんが、照れながらも幸せそうな笑顔で言った。
これで、いいんだよね……。
* * *
放課後。私は、爽くんと並んで帰り道を歩いていた。
11月に入ると、秋も深まって風が肌寒い。
赤や黄色に染まった街路樹の葉が、冷たい風に吹かれてはらはらと舞落ちる。
「…寒っ…」
思わずつぶやいたその時、手に温もりを感じた。
