「夏川くん、咲姫にメロメロだね」
黙って私と爽くんのやり取りを見ていた伊吹ちゃんまで、からかうように言う。
「そんなことないって!」
恥ずかしくて熱くなる頬に手をあてながら、慌てて言い返す。
「前にあたしが言ったとおりだったね」
流風ちゃんがちょっと得意げな表情になった。
……?
「恋のチャンスだって話してたじゃん」
「……そうだっけ?」
「そうだよ。あの時は咲姫、全力否定してたけどさ」
ホントは覚えてる。
爽くんが同じ高校だって知ったばかりの頃に、流風ちゃんに言われたこと。
あの時の私は、まさか爽くんとつきあうことになるなんて全く思ってなかった。
人生って、ホントどうなるかわからないものだな。
なんてしみじみ思っていたら、
「ねぇ、伊吹は日生とどうなの? もうすっかり公認カップルだけど」
流風ちゃんが、今度は伊吹ちゃんに話を振った。
「……あのね、実は……」
伊吹ちゃんが、恥ずかしそうにしながら口を開いた。
