「ちょっと、恥ずかしいからやめて」
私は慌てて頭に乗せられている爽くんの手をどけようとした。
でも、爽くんは「いいじゃん別に。俺達つきあってるんだし」なんて言って、私の頭を撫でた。
そんな堂々と言わないでよ。
そのせいで、私と爽くんがつきあってることが、今では周知の事実になってしまった。
「夏川くんがコンテストで言ってた好きな子は篠宮さんだった!」
なんて大騒ぎになって、大変だったんだから。
「で、何しに来たわけ?」
私がわざと冷ややかな声で言うと、
「咲姫に会いに来ちゃいけないわけ?」
爽くんが私の口調の真似をして返してきた。
「………」
冗談なのか本気なのかわからないストレートな言葉が恥ずかしくて、言い返せない。
爽くんはそんな私を見て、
「今日の放課後、部活ないから一緒に帰ろう」
そう言って微笑んだ。
「昼間からみせつけてくれるねぇ」
爽くんが昼練に行ったあと、流風ちゃんが私の腕を肘でつついた。
