「あ、日生くんと美原さんだ」
「やっぱりあのふたり、お似合いだよね」
「校内ベストカップルって感じ」
朝、校門から校舎へと向かっている途中。
近くにいた女の子達から、そんな会話が聞こえてきた。
女の子達の視線の先をたどると…少し前には、並んで歩く伊吹ちゃんと日生くんの姿。
後夜祭の美男美女コンテストでふたりが優勝して以来、ふたりは全校公認のカップルになっている。
広報委員の校内新聞にもコンテストの時に撮影した2人の写真が大きく載っていて、廊下の掲示板に貼られている。
今やふたりは「美男美女カップル」として校内で一番の憧れの的なんだ。
お昼休み。
いつものように中庭で流風ちゃん、伊吹ちゃんとお弁当を食べていると…
「咲姫、ちゃんと残さず食べろよ」
爽くんが私に声をかけてきた。
でも、いつもと違うのは、
「じゃないと背伸びないぞ?」
そう言って私の頭に手を乗せて、優しい笑顔を私に向けていること。
「なんなの、この甘い空気」
流風ちゃんが隣で苦笑しながら突っ込みを入れる。
