「なんで泣いてんだよ」
泣きはらした顔に気づいて、爽くんがビックリしてる。
タイミング悪すぎだよ。
なんでこんな時に来るの。
「なんでもないよ」
そう言って慌てて立ちあがってその場から去ろうとしたけど、爽くんに腕をつかまれた。
「ちょっ、離してよ」
慌てて手を振りほどこうとしたけど、力が強くて振りほどけない。
そしてそのまま腕を強く引き寄せられて、私は爽くんに抱きしめられた。
「なにす…「返事、聞かせて」
“何するの”って言おうとした私の言葉を遮って、爽くんが言った。
返事って、告白の返事だよね……。
親睦会の日に好きって言われてから、爽くんとはまともに顔を合わすことがなくて。
2学期に入ってから、部活や文化祭の準備で昼休みに話すこともなかった。
爽くんも、何事もなかったような態度だったから。
聞かなかったことにしようって、そう思ってた。
だから、まさかみんなの前であんなこと言うなんて思わなかったんだ。

