天然クール王子は仔猫ちゃん溺愛中。


「すでに公認カップルって感じですね!では、そんなおふたりのツーショット撮影行きましょう!」

その言葉を合図に、カメラマン担当らしい広報委員が、デジカメで日生くんと伊吹ちゃんのツーショットを撮影した。

恥ずかしそうにしながらも笑顔でポーズを決めるふたりは、やっぱり美男美女で絵になっていて、すごくお似合いだ。

ステージに立っているふたりは華やかで眩しくて……クラスメ―トなのに、なんだか遠い存在に感じた。

コンテストが終わってステージから降りた後も、日生くんと伊吹ちゃんはたくさんの人に囲まれていた。

流風ちゃんも伊吹ちゃんのそばではしゃいでいる。

私は気づかれないようにそっと講堂を出て、人目につかない校舎裏へ向かった。

校舎裏には誰もいなくて、静かだった。

遠くから、かすかにみんなの歓声が聞こえる。

私は、コンクリートの階段に座って、ぼんやり空を仰いだ。

秋の始まりを告げるすこしひんやりした風に乗って、甘い香りがする。