「咲姫、一緒に写ってあげなよ。あたし撮るから」
戸惑っていたら、隣で様子を見ていた流風ちゃんがそう言って、素早く男の子のスマホを手に取った。
「はい、チーズ!」
状況をよく呑みこめないまま、とりあえずピースサインで笑顔を作る。
シャッター音が聞こえて、流風ちゃんが写り具合を確認。
「うん、イイ感じだよ」
そう言って、男の子に携帯を渡した。
「ありがとう。急に声かけてごめん」
「あ、いえ……」
男の子は、礼儀正しく頭を下げると、足早に教室を出て行った。
「あの子、きっと咲姫のファンだね」
「えぇっ!?」
流風ちゃんの言葉に、私は思わず大きな声を出していた。
私の驚きようを気に留めず、流風ちゃんはあっさりと続けた。
「前に言ったじゃん。咲姫、結構可愛いって言われてるって」
「でも、別に告白とかされたことないよ?」
そもそも男子とはほとんど話さないし。
「咲姫は男嫌いだってウワサが広まってるからじゃないの? それに、日生とのウワサもあったしね」
「………」
