天然クール王子は仔猫ちゃん溺愛中。


ここに2人でいたらまずい。

「日生くんの衣装合わせしたいからって、伊吹ちゃんが教室に呼びに行ってたの」

「美原が?」

「うん。行き違いになってるから、行ってあげて」

私はそう言うと、慌てて階段の踊り場へ向かった。

鏡に映った私の姿は、やっぱり伊吹ちゃんと違って子供っぽい。

私も伊吹ちゃんみたいに背が高くてキレイな女の子になりたかったな。

そうしたら、もっと自信がもてたのに。

ホントは、あのままふたりで話していたかった。

心の奥から、わきあがってくる想い。

そっと胸に手をあてると、手のひらに鼓動が伝わってくる。

いつもより大きく速く刻まれてるリズム。

日生くんの姿を見るたび、声を聞くたび、言葉をかわすたび、条件反射みたいにドキドキする。

あきらめなきゃって思うほど、日生くんのことを意識してる自分がいる。

でも、流風ちゃんと伊吹ちゃんにホントのことを言う勇気なんてない。

ましてや日生くんに告白なんて絶対できない。

あきらめるって決めたけど、どうしたらいいのかわからないよ……。