だけど女は、目をそらすことなく俺の目をじっと見ていた。その時俺は、柄にもなくドキッとした。俺は、自分から目を逸らし、女に絡んでいた男たちに消えろと言った。

すると、女が俺の目を見て

「ありがとうございました。」

と言った。

すごく心地のいい声だった。俺は、気づいたら、また会おうなんて言っていた。
そしたら女はちょっとびっくりした顔になったけど頷いてくれた。実際は顔にあんまり出ていなかった。普段自分が表情変わらないから、すぐ気づいたんだと思う。

俺は名前を言って、女の名前を聞いた。

麗か、いい名前だな。