ドキドキドキドキ…
理央の心臓はおかしなくらい脈打っている。
悠斗とピッタリ密着し過ぎて、このまま、どうにかなってしまいそう。
「理央の髪は、色素の薄い茶色なんだね」
頭上から、落ち着いた声が届いた。
悠斗は、理央の長い髪を一房とって、天井のライトの光に透かしているようだ。
この状況でそんな事を口にするなんてずいぶん余裕だ…と、理央は思う。
男慣れしてない私は、こうやって触れ合うだけで、どうしようもなく動揺してしまうのに……。
女性への扱いが慣れている悠斗は、今まで、どれくらいの女性と付き合ってきたんだろう?
その中に、本気の恋に目覚めた人もいたのだろうか?
悠斗が初めての恋の相手だと自覚している理央は、そう考え出すと、どうしても面白くない。
