完璧御曹司の溺愛






「本当にいいの?」


「うん。何もないけど入って?」


 理央に促され、悠斗は少し躊躇するように、理央の部屋へ足を踏み入れた。


 理央一人だと、ちょうどいい大きさの部屋が、背の高い悠斗が入ると少しだけ狭くなったように感じて、何だかいつもの部屋じゃないみたい…と、理央は思う。


「へぇ。理央の部屋、可愛いね」


 あまり、流行り物に興味のない理央の部屋は、年頃の女の子にしては殺風景だった。


 それでも悠斗は嬉しそうに、シンプルを統一している小さな部屋を見渡す。


「悠斗、とりあえず座って?」


 悠斗は、理央のベッドの前に座った。



 よし、今から悠斗に告白をしよう!


 理央も悠斗の隣に座し、深呼吸を一つする。


「あ、あのね…、さっき、外で言いかけた事なんだけど…」


「理央が俺に、話したい事?」


 悠斗は隣から、理央の顔をジッと伺う。


「…っ」


 ど、どうしよう…

 ち、近い…


 国宝級に綺麗な顔が、すぐ間近に迫っていて、悠斗を意識しだした理央の胸は、またしても詰まってきてしまう。

 
 早くしなきゃ、悠斗の迎えの車がやって来てしまうのに…


「えぇっと…、えっとね…」


「今日は理央、何か変だよ?熱でもあるのかな?」


 と、悠斗が理央の額に触れようと指を伸ばしてくる。

 
 今、そんな事をされると、いよいよ一言も喋れなくなってしまうのに…!


「あっ!だっ、大丈夫だからっ!そのっ、ちょっとだけ待って?」


「う、うん…」


 理央の声を聞いて、悠斗が一瞬怯んだ。


 そんな悠斗の反応にすら気付かない理央は、悠斗に背をむけて、もう一度深呼吸をした。