嵐のように、竜巻のように、胸の底から黒い感情が沸き起こり、涙で視界が霞んでいく。
「悠斗を誰にも、とられたくない…」
口から溢れた、理央の本音。
『理央を他の男にとられたくないって思ってしまう』
それは昨夜、理央を好きだと言った悠斗の気持ちと、同じものだった___
そして、こんなにも苦しい気持ちなのだと、理央はこの時、初めて理解した。
悠斗が、誰かの物になるのは嫌。
誰かを抱きしめたり、愛を囁くのも耐えられない。
考えただけで、涙が止まらなくなるくらい悲しい、それなのに、悠斗は私に、そのままの理央でいいって言ってくた。
いつか、理央に好きな人が出来たら、兄として受け入れてあげるからって____
私は、悠斗の心を失望させたに違いない、それなのに、悠斗は私の幸せを最優先して考えてくれた。
