次の日の放課後、いつものように美術室へ行く途中、理央はある人物に声をかけられた。
当たり前のように「ついてきて」と言われ、連れてこられたのはあの場所、理科室。
その中で足を止め、艶々した髪をなびかせながら理央に振り向いたのは、この間、裕太と仲良くしていた水島遥だった。
険しい顔をあらわにする彼女の前に立った時、理央は自分が呼ばれた本当の意味を理解した。
水島さんは裕太じゃなく、悠斗の事が好き。
そして、悠斗はあの日、私を庇ったから……
「何っで、あんたみたいな子が、瀬戸先輩に気に入られてるの!?」
面白くないんだ…。
