「ねぇ、理央?あれから、誰かに何もされてない?何かされたらすぐ言うんだよ?」
悠斗に心配そうに問われ、一瞬、頭を過ぎったのは今日の保健室での裕太との出来事。
でも、悠斗に迷惑はかけられないと思った。
二週間も向こうに滞在しないといけないのに、今日はまだ一日目だ。
「……うん、大丈夫だよ」
理央は確かにそう言ったのに、一瞬開いた間を、悠斗は逃さなかった。
「何かあった?」
悠斗の緊迫した声が電話ごしに伝わる。
悠斗は私の表情も見てないのに、どうして気付くんだろう___
「えっ…と……」
「理央?俺に何か隠そうとしてない?些細な事でもいいからちゃんと話して?」
「でも、悠斗に余計な心配かけたくないから…」
「俺は、理央にかけられたいんだ。理央の事ならどんな事でも心配したい」
「悠斗…」
「もしかして、あの幼なじみ?何かされたの?」
どうして、こんなに鋭いんだろう。
悠斗、探偵みたい…と、理央は心の中で思う。
