その時、机の上でスマホが鳴っている事に気が付いた。
知らない番号から電話がかかってきていて、理央は不思議に思い、その電話に出てみる。
「もしもし?」
「理央?」
その声を聞いた瞬間に、心臓がドキンと激しく跳ね上がった。
身体の神経全てが、耳元へ繋がる。
「ゆ、悠斗…!?」
「うん。理央、今、電話してても平気かな?」
電話ごしの優しい声は、昨日と同じ。
すぐ耳元で囁かれてるみたいだ___
「だ、大丈夫」
「そっか、良かった」
「悠斗、今アメリカにいるんでしょ?時差あるんだよね?ええっと……何時間だっけ…?」
勝手に一人で焦ってしまう。
悠斗に今、残されている時間が気になって仕方がない。
「13時間。こっちは今、朝9時なんだよ」と、教えてくれた。
「朝9時…」
時刻にこんなに差があるだけで、途方もない距離を離れているのだと、理央は実感する。
