記憶を求めて、触れた優しさ。



『約束ね、秀くん』

一瞬フラッシュバックした記憶。


「ああぁぁぁあッ!なんなのッ!……」

頭を抱えてしゃがみ込んだ。

「芹那!?落ち着け、大丈夫だから俺がついてるから」

「何よ今の、はぁッ……私のこと掻き乱さないでよ!はぁッ…はぁッ…私の何なの!ッ…はッ…」

知らない記憶を思い出す度に、体がおかしくなる感覚がする。

記憶が取り戻すのが正解?

取り戻さなきゃだめ?

過呼吸になった芹那。

「芹那!大丈夫だから、深呼吸して、芹那、芹那」

秀一は、芹那を抱え込むように抱きしめて、頭を撫でた。

「怖い怖い怖い怖い…はッはぁ…ッ…思い出すのが怖いッ……」

「深呼吸して」

「スゥゥゥ、はァ……はァ……」

「大丈夫だから、芹那」

しばらくすると、過呼吸も収まり落ち着いて話ができるようになった芹那。