記憶を求めて、触れた優しさ。

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芹那は、また夢を見ていた。
『私の何を知ってるの!……付いてこないでよ!』

ここは、体育館倉庫──?

『永田さん、本当に俺の事忘れたの?』

誰なの。
なんで顔が見えないの。

黒いモヤが掛かって、誰かわからない。

私の何を知ってるの。

振り回さないでよ。

私の何?


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