秀一では無い、違う誰かが、私を呼んだ。

どこかで聞いたことあるような、そんな気がした。

振り返ったものの、顔に見覚えはなかった。

身長が高いものの猫背で、ダボ着いた服を着ていて、眼鏡をかけていた。

「誰…?」

けれど秀一は、知ってる人だったらしい。

「よく顔出せたな、なんでここに来てること知ってんだよ、つけてきたのか」

つけてきた? 誰を。

永田って、私の事呼んだよね。

「私をつけてきたの?」

「芹那は、先帰れ、危ないから」

危ない…?なんで。

私の知り合い?

「痛ッ…」

急に頭痛がした。

頭がぐるぐるして、視界が回った。