記憶を求めて、触れた優しさ。



「……ッはぁッ……はぁ……はぁ……また変な夢」

芹那は、飛び起きた。

「…すぅ…はぁっ……私の記憶なの?それとも……ただの悪夢?」

深呼吸をして、自分を落ち着かせた。

大丈夫、大丈夫。

落ち着け私。


私の記憶は、きっと戻ってくる。


そのために今日、水族館に行くんだ。

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冷たい水で顔を洗って、気持ちを切り替えた。
「はぁ、私の人生どうなっちゃったんだろう」

そんなこと考えてもだめだ。

今日のことを、今は考えよう。

服装を考え始めた。

白色のニットワンピースを着ようかな。

黒のタイツを中に履いて、寒さ対策もしよう。

『ただし、デートって言ったからにはデートらしい服装して来いよ』

「言われちゃったからね、少しは女の子らしい……かな?」

デートなんて、初めて。

意識したらドキドキしてきた。

秀一は、いつも私にドキドキしてるの?

不思議と、秀一のことを考え始めただけで夢のことなんて忘れられた。

すごいね、秀一は。

「よし、行こう」

胸あたりまである長い髪をふんわりと巻いた。

女の子らしさを出したくて。

気に入るかな?