学校に着いてクラスに入ると、同じクラスの女の子たちが集まってきた。

同級生A「芹那大丈夫?学校で倒れたって噂なってるよ」

同級生B「永田さん、古賀くんいてよかったね」

同級生A「古賀くん、すごい心配してたらしいよ」

同級生C「って古賀くんも一緒?」


「あぁぁぁうるさい!古賀くん古賀くんって、私には覚えてないの、ほっといて」


A「え、覚えてない?どういうこと?」

C「記憶喪失?」

B「古賀くんのこと忘れたってこと?」

D「あんなに仲良かったのに」

E「古賀くん可哀想」

C「じゃあ私狙っちゃおっかな〜、ね、古賀くん」

色んな言葉が飛び交っていた。


私にはクラスの人の名前も顔も分からなかった。

これも、記憶が抜け落ちてるからなのかな。

私の知らない人達が私の名前を呼んでる。

「やめて……やめてよ…ッ……」

芹那はしゃがみこんで頭を抱えた。

「芹那以外興味無いから、どいてくれる?」

後ろにいた秀一が呟いた。

──ん!?

「今なんて言った?」

「芹那は別に聞かなくていいこと」

秀一は人差し指を口元に当ててシーと息を吐いている。


私以外興味無いって、なんで!?

そんな言葉今まで言ってこなかったじゃない!

なんで隠してたの?

まって、明日行く約束しちゃった。

お弁当作るって、行かせるために隠してたの?

お姉ちゃん?姐の存在も知らなかった私に連れていこうかなんて、呟いて、断ることを見込んで?

「信じらんない!」

芹那はそう言いながら立ち上がった。

どこにも居場所がない。

はぁ、席も分からないし、どこが私の席よ。

後ろのコルクボードに座席表をみつけ、自分の席を探す。